こんにちは!リアグローバルです。2025年2月のカンボジアを振り返ります。
太陽光発電所は今年、国の送電網に供給される電力を倍増させる予定です。カンボジアの再生可能エネルギーの主な供給源は、水力、太陽光発電、バイオマス発電で、また特に乾季は近隣諸国から電力を購入しています。
カンボジア政府は2019年以降、新規の石炭火力発電所へのライセンス発行を停止し、送電網用クリーンエネルギー生産のための新たな発電所プロジェクトの建設を推進しており、クリーンエネルギーへの移行を急速に進めています。それによりカンボジアのクリーンエネルギーシェアは、現在の62%以上から2030年までに70%に増加する見込みとのことです。その場合、カンボジアはクリーンエネルギーが最も多い10のASEAN諸国の中で2番目にランクされるとのことです。
先週、プノンペン全域で蚊の数が著しく増加したと報告され、過去1週間で蚊よけ剤の売上が大幅に増加したとのことです。デング熱など蚊が媒介する病気を警戒するプノンペンの住民は、蚊取りラケット、ボディクリームやスプレー、液体蒸発器、蚊取り線香などを購入するために薬局やスーパーマーケットに殺到しました。
供給側は「毎年この時期は蚊よけの売れ行きが好調ですが、今年は信じられないほどです。これは突発的な一時的な需要かもしれませんが、売り切れで欲しい商品が見つからず、蚊対策に虫よけスプレーまで買い求めるお客さんもいらっしゃいました。」と語り、店頭はほとんどが売り切れで品薄状態とのことです。カンボジアの蚊よけ市場は、ベトナム、中国、マレーシア、タイの製品が主流です。渡航される方は蚊よけ対策も忘れずにチェックして下さいね!
Datareportal.comが発表したデータによりますと、カンボジアにおける広告リーチはTikTokが88.4%で、Meta傘下のFacebookが68.4%で2位となりました。TikTokとFacebookが圧倒的な差で優勢を占めていますが、これに続いてInstagram(19.1%)、LinkedIn(3.8%)、X(3.2%)となっています。
一方ユーザー数と人気においては、FacebookをはじめとするMetaプラットフォームは、依然としてトップを走り、カンボジアでは昨年、13歳以上の利用資格のあるユーザーの90.7%がFacebookを利用しました。1,165万人ユーザーのFacebookに続いて、TikTok(996万人)、Facebook Messenger(815万人)、Instagram(185万人)、LinkedIn(65万人)、Twitter(54万5,900人)となっています。
TikTokは先月、国家安全保障上の懸念から、米国で一時的にオフラインになりました。トランプ新大統領は、解決策を見つけると約束し、この命令を延期し、TikTokのようなブランドを買収できる米国政府系ファンドの設立を提案しています。
フィリピンの大手企業であるArvin International Marketing Inc.は、カンボジア産の精米は高品質で世界最高の米として6回もランク付けされていると指摘し、フィリピン市場に供給するため、カンボジアからの米の輸入に興味を持っていると明らかにしました。Arvin International Marketing Inc. は、塩の大手供給業者であり、化学薬品および農産物業界の新興企業で、フィリピンのトップ 500 企業にランクされ、ISO 認証を取得しています。
カンボジア米連盟の報告によりますと、カンボジアは2024年に合計651,522トンの精米を輸出し、このうち約127,076トンがフィリピンを含むASEAN加盟国に輸出されました。
ベトナムの大手コングロマリットTHACO AGRI社は、カンボジアでの農業事業を拡大し、クラティエ州とラタナキリ州の施設で1万4000人以上の従業員を雇用する計画です。
THACO AGRIはベトナム、ラオス、カンボジアにまたがる大規模農業生産を専門とし、約84,000haの土地を管理し、有機果樹栽培、畜産、肥料生産などの事業を展開しています。カンボジアでは2018年にHAGLアグリコから50年リース契約で土地を取得して以来、バナナ栽培と畜牛飼育に注力し、中国や日本を含む国際市場にバナナを輸出しています。
現在、従業員の90%以上がカンボジア国籍です。今後の事業拡大により、カンボジア国内だけで合計約1万4,000人の雇用を創出します。カンボジア政府は、生産量増と貿易促進のため、税金を減らし輸出手続きを簡素化することでバナナ産業を支援してきました。

参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501641506/air-cambodia-launches-round-trip-flight-service-to-thailand/
カンボジア国営航空会社エア・カンボジアは、エアバス320型機または321型機を使用したタイへの毎日の運航を開始しました。
カンボジアでは2025年には航空路線の接続性がさらに向上すると予想されており、エア・カンボジアは、国内線および国際線のネットワークを継続的に拡大する計画で、昨年は3機の新機材を導入し、保有機数を32機に着実に増やしていくとのことです。また、日本、韓国、その他の目的地へのフライトをできるだけ早く開始し、2026年頃には大陸間路線を開始する計画出ることも述べられました。
スタートアップ追跡サイトStartup Blinkによりますと、vKiriromはカンボジアで最も資金調達額の多いスタートアップ企業となりました。
家族向けの宿泊施設と教育活動を提供するエコリゾート「vKirirom」は、これまでに総額290万ドルの資金を調達しています。
2位にランクインしたATEC Biodigestersは、投資家や支援者から230万ドルの資金を調達し、同社はカンボジア農村部の家庭向け小規模バイオダイジェスターシステムを開発し、持続可能なエネルギーソリューションを提供しています。
カンボジアで好業績のスタートアップ企業のリストには、YouAdMe(ソーシャルEコマース)、Somleng(クラウドコミュニケーションプラットフォーム)、TapEffect(ソーシャルエンタープライズ)、TokenHouse(共有リビングスペースプラットフォーム)、VTENH(ショッピングスペース)、Khmer Express Realty(小売Eコマース)、Pathmazing(ソフトウェアおよびデータサービス)、Pi Pay(キャッシュレス決済プラットフォーム)も含まれています。
カンボジアのスタートアップエコシステムは世界で112位、ASEAN地域では7位にランクされており、カンボジアの新興スタートアップを活性化させている要因として、女性創業者や技術系スキルを持つ創業者が多いことなどが挙げられています。
カンボジア開発評議会(CDC)は今月、カンボジアにおける日本企業の持続的拡大のための「カンボジア・日本共同経済協力」プロジェクトへの支援を表明しました。日本は現在、カンボジアにとって5番目に大きな貿易相手国であり、二国間貿易額(輸出入合計)は増加しています。
カンボジアにおける投資機会の拡大、貿易関係の強化、持続可能な経済発展の促進を目的としたプロジェクトの検討会議が開かれ、カンボジアは日本にとって好ましい投資先としての地位を維持し、長期的な経済協力と相互繁栄への道を切り開いていきます。
カンボジア王立アカデミーの政策アナリストであるサム氏は、「外国人投資家は財務リターンとリスク管理を非常に重視して投資を行っており、市場調査の結果、大きな不確実性や非効率性を持つ市場には資源を配分しません。カンボジア政府が外国投資誘致に真剣に取り組むのであれば、既存の欠陥を解消するための具体的な措置を講じる必要があり、ガバナンスの改善、官僚主義的な煩雑な手続きの削減、そして汚職撲滅は、投資家の信頼を築く上で重要な要素であり、インフラの強化と観光セクターの強化は、カンボジアをより魅力的な投資先にします」と述べられました。
カンボジア有数の観光地の一つであるコッコン州は、タイで最も歴史があり、最も有名な銀行の1つであるサイアム商業銀行(SCB)が発表した報告書「タイの投資家のための投資のヒント」の中で、年間30万人以上の観光客が訪れるカンボジアの新興観光地の地図で、コッコンが新星として注目されていると指摘し、「素晴らしい投資先」と評されました。
タイと国境を接するコッコン州は、バンコクから国境を越えるまではたったの6時間で、コッコン州のほとんどの人はタイ語を話せます。山、滝、川、島、渓谷、海岸など、主要な観光名所がすべて揃っており、世界中のエコツーリズム愛好家にとって完璧な目的地となっている一方、ホテル、リゾート、レストランの建設という点で投資の機会に最適となっています。
2024年のカンボジアの電子商取引の成長は、スマートフォンやインターネットの普及率の向上、デジタル決済の広範囲での普及、パンデミック後の消費者行動の変化、そして業界関係者による革新的なソリューションによって推進され、約11億2,000万ドルに達しました。
チャム・ニムル商務大臣は、カンボジアの電子商取引部門の拡大は同国のデジタル変革への幅広い取り組みを反映していると述べ、今後、市場は2024年から2029年にかけて年平均成長率9.98%で成長し、2029年までに18億1,000万ドルに達する可能性があると報告されました。カンボジアがデジタル統合を深めるにつれ、電子商取引からより広範なデジタル貿易エコシステムへの進化が、経済の回復力と世界的な競争力を確保する上で重要な役割を果たすだろう、と付け加えられました。

参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501646042/malaysian-firm-mulls-expanding-dairy-production-in-kingdom/
https://www.khmertimeskh.com/501645113/malaysia-wants-cambodian-rice-snakehead-fish-for-domestic-demand/
マレーシアの農業大臣セリ・モハメッド・サブ氏は、カンボジアへの公式訪問の最後にメディアに対し、ファームフレッシュがカンボジアで酪農を開始すると語りました。
カンボジアの農業大臣と土地と技術的な問題について話し合い、障害はそれほど多くないこと、この投資により現在牛乳は輸入に頼っているカンボジアの食糧安全保障と生乳の自給率が大幅に向上するだろう、と付け加えられました。
また、マレーシアの食糧安全保障問題は重要な目標であり、ASEAN諸国は自国の不足を補うために米や雷魚の購入に積極的であると語り、カンボジアには良質な米と豊富な魚を栽培・生産する潜在力があり、マレーシアにはその需要があるなど、両国には多くの補完点があると強調しました。
カンボジア政府は、労働集約型産業から知識集約型およびハイテク産業への移行による産業部門の多様化を進めています。より多くの貿易パートナーシップを確立し、電子部品製造や自動車組み立てなど、これまでの主力だった衣料品産業以外の高付加価値部門への投資を増やしており、輸出量も増加しています。今後は、更に高付加価値の産業を誘致することを目指し、健康促進、教育、技術スキルの訓練を通じて人的資本を強化・開発し、労働生産性を高めていく必要があります。
最後に、2025年3月3日のカンボジアの最新銀行金利はこちらです。
Bank’s Name 銀行名 | Term Deposit / Maturity (USD) 定期預金金利/満期受取り(米ドル建) | ||||
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
ABA Bank | 3.00% | 3.00% | 3.00% | ||
ACLEDA Bank Plc. | 3.90% | 3.95% | 4.00% | 4.00% | 4.00% |
Canadia Bank plc. | 4.25% | 4.30% | 4.30% | 4.30% | 4.30% |
Sathapana Bank Plc. | 4.50% | 4.50% | 4.50% | ||
Cambodian Public Bank Plc. | 3.50% | ||||
HATTHA Bank Plc. | 4.50% | 4.75% | 4.75% | 4.75% | 4.75% |
Maybank (Cambodia) Plc. | 4.25% | 4.25% | 4.25% | ||
J Trust Royal Bank | 3.75% | ||||
Vattanac Bank | 3.50 % | ||||
Prince Bank Plc. | 4.75% | ||||
SBI LY HOUR Bank | 5.75% | 6.00% | 6.25% | 6.50% | 6.50% |
Phillip Bank Plc. | 4.50% | 4.50% | 4.50% | ||
Woori Bank | 5.25% | 5.75% | 5.85% | ||
Wing Bank | 4.50% | 4.50% | 5.50% | 5.50% | 5.50% |
PPC Bank | 5.00% | 5.20% | 5.30% | 5.40% | 5.50% |
※上記は2025年3月3日時点の米ドル建定期預金金利であり、金利は税引き前の年利率です。最新の金利及び詳細は各銀行の公式サイトをご確認ください。一部の金融機関を抜粋して一覧にしております。
今回の内容を動画でご覧になりたい方はこちら↓↓
いかがでしたでしょうか。前月から金利が変更された欄は取消し線で前月金利を記載しております。カンボジアに携わる方、渡航される予定のある方は下記の今月のカレンダーもご確認ください。来月もカンボジアの経済や不動産、日本との関わりを交えてお伝えしていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
