こんにちは!リアグローバルです。2024年11月のカンボジアを振り返ります。
カンボジア政府(RGC)は、経済財務省の信託規制当局の監督下で、「デジタル信託登録システム」を立ち上げました。これは信託の効率的な登録、管理、規制遵守を促進し、受託者が作成、更新、終了などの手続きをオンラインで処理できるようにすることで、利便性や透明性を高めることを目的としているとのことです。カンボジアの信託部門は今年9月末までに1,030件、総額16億5,000万ドル相当の信託案件を合法的に登録し、13社と21の商業銀行に信託ライセンスを承認しました。カンボジアでは2019年の信託法の改正によって徐々に信託市場が浸透し、2021年に信託登録制度ができてからは安全性が向上して市場の拡大が加速しています。今回のオンラインでの登録システムの開始により、安全性と透明性が更に向上すると期待されます。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501589802/koh-kongs-dara-sakor-airport-plans-to-go-operational-soon/
コッコン(Koh Kong)州に2億ドルかけて建設されるダラサコール国際空港は、今月下旬か来月上旬に開業する予定であるとのことです。プノンペン国際空港はビジネス、投資、観光活動の拠点であり交通の要衝である一方、こちらのダラサコール国際空港は、近くにクルーズ船の寄港地、国際ゴルフコース、カジノ、マンション、ホテルがあり主に観光客用となります。
カンボジアには、プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルの3つの国際空港があり、政府と民間パートナーは、ポイペトとモンドルキリにさらに飛行場を建設することを検討しているとのことです。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501562260/cambodia-sees-rapid-growth-in-ev-adoption/
https://www.khmertimeskh.com/501596062/byd-in-final-talks-to-set-up-ev-factory-in-cambodia/
フン・マネット首相は、カンボジア開発評議会(CDC)が中国の電気自動車大手BYD社とカンボジア国内に電気自動車(EV)製造工場を設立するための交渉の最終段階にあると述べました。BYDは米国最大のEVメーカーであるテスラに匹敵するような、EV生産に特化した中国の巨大企業です。現在カンボジアには、今年初めに開所した日本のトヨタ工場や、昨年開所したフォード社をはじめ、多くの自動車製造会社があります。他国との競争力を高めるには、1990年代から注力してきた衣料品部門だけに頼ることはできないと強調されました。
カンボジアではEVの導入が急増しており、最も人気のあるEVブランドは中国のBYD、日本のトヨタ、米国のテスラの3社となっています。また、車だけでなくバイクやトゥクトゥクでもEV市場が浸透してきています。BYDのような世界的ブランドがカンボジアに製造工場を開設することを選択した場合、それはカンボジアにとって素晴らしいニュースと期待されます。
日本のエアコン大手、ダイキン空調は今月カンボジアでの事業を正式に開始しました。式典を主宰した産業・科学技術・イノベーション大臣のヘム・ヴァンディ氏は、ダイキンの参入はカンボジアのビジネスと産業の展望に明るい変化をもたらすものだと語りました。直接的な影響は、100人以上の雇用の創出ですでに明らかですが、有名な日本の空調設備大手の参入は、国際投資の拠点としてのカンボジアの魅力が高まっていることを浮き彫りにしており、日本やその他の投資家がカンボジアの経済と産業の潜在力に信頼を寄せていると述べられました。カンボジアの生活水準の向上と急成長する食品・農業産業のニーズに牽引され、電気製品、特にエアコンやコールドチェーンソリューションの需要が高まっていることから、今後のダイキンの活躍へ大いに期待されています。
参考記事:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20241113520648/
https://www.khmertimeskh.com/501597949/mirarth-agri-tech-company-sets-to-export-250-tonnes-of-cashew-nuts-to-the-eu/
日本のミラース・アグリテック社 (MIRARTH Agri Tech) が、カンボジアからヨーロッパへ、初めてとなるカンボジア国産カシューナッツの継続的な出荷を開始し、初輸出を祝う式典がコンポントム州で開催されました。今年はヨーロッパの厳しい品質基準をクリアした250トンのカシューナッツが輸出される予定です。「カンボジアで生育されたカシューナッツを同国産として取引すること」を達成させたこの成功について、商業省は、ミラース社の成功であることはもちろんカンボジアの誇りでもあり重要な節目です、他の企業にもヨーロッパへの輸出を検討するきっかけとなることを期待していると述べられました。
シンガポールに本社を置く有名なレストランフランチャイズ企業であるDian Xiao Er Groupは、シンガポールのメディアが最近公開したインタビューで、カンボジアのレストラン市場への地域的拡大を視野に入れていると語りました。2002年後半にシンガポールのチャイナタウン地区に最初の店舗をオープンして以来、シンガポール全土に約20店舗を展開し、全体で約500人のスタッフを雇用しています。同社の代表者は、「カンボジアの人口はそれほど多くないかもしれないが成長は著しく、また賃金は低く給与はシンガポールの10分の1です。カンボジアはまだ白紙の状態でありそこに進出する企業はあまり多くありません。しかし、私たちはベトナムのような飽和市場ではなく、カンボジアのような未開発地域を探しています」と語りました。同社は既にプノンペンの複合開発地区、アーバン・ビレッジ内に5階建てのビルを取得しているとのことです。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501600237/in-pictures-new-phnom-penh-airport-on-track-to-open-in-2025/
カンボジア空港投資株式会社(CAIC)の取締役チャールズ・ヴァン氏は今月、プノンペンの新しい空港を訪問し、テチョ国際空港は第1フェーズの92%を完了しており、2025年の開港に向けて順調に進んでいると述べられました。ヴァン氏の訪問には、インドネシア駐カンボジア大使、英国駐カンボジア大使、マレーシア駐カンボジア大使、ブルネイ駐カンボジア大使が同行しました。4か国の大使は空港建設の進捗状況を視察した後、この建設はユニークであり、カンボジアでは前例のない開発であると評価しました。開港が楽しみですね!
国土管理・都市計画・建設省によりますと、国家沿岸管理開発委員会(NCCDC)はカンボジアの4つの沿岸地域を世界クラスの観光地に変えつつ、持続可能な生活、健康、幸福を備えた近代的な国家経済の中心地に変えるためのさまざまな行動計画が実施されていると述べられました。
カンボジアにはシアヌークビル、コッコン、カンポット、ケップの4つの沿岸州があります。これらの州には美しいビーチや島々があり、国内外の観光客の人気の旅行先として注目が高まっています。計画案によると、4つの各州に公共ビーチリゾートと観光サイクリングロードプロジェクト、さらに4州の沿岸地域に観光港を設置し、インフラの改善と開発プロジェクトを実施するとのことです。
カンボジア政府(RGC)は、投資家が適格投資プロジェクト(QIP)認証をオンラインで直接申請できるよう、デジタルシステムであるカンボジア投資プロジェクト管理開発評議会(cdcIPM)を正式に立ち上げました。また、QIP証明書とレターを申請するためのcdcIPMのユーザーマニュアルが発表されました。このマニュアルには、登録手順、情報要件、書類提出手順、チェックリスト、最初の申請レビューと正式承認プロセス、投資提案の提出、承認プロセス、投資プロジェクト登録証明書の発行など、重要な要素が含まれています。
QIPは投資奨励業種を対象に、租税・関税上の各種優遇措置を受けることができるカンボジアの投資プロジェクトのことで、日系企業も登録しています。現在のカンボジアは、投資家を引き付け、透明性を高め、包括的かつ正確な情報をタイムリーに配信することを目的としたオンラインシステムの開発と近代化に注力し、次々と施行されています!
今月、カンボジア初の高速道路である「プノンペン・シハヌークビル高速道路」は開通2周年を迎えました。この高速道路は首都プノンペンからカンダール、コンポンスプー、コッコン、シハヌークビルを結び、カンボジアの経済と観光地を結ぶ拠点となっています。
プノンペンとシアヌークビルを結ぶ全長187.05キロのこの高速道路は、2022年11月9日に開通しました。祝賀会では、住民が引き続き道路交通法を遵守し、制限速度を超える運転を避け、車線を適切に使用し、大型輸送会社に高速道路の使用を奨励して、国道4号線の渋滞と事故を減らすことが呼びかけられました。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501588870/cambodia-marks-71st-anniversary-of-independence-day/
https://www.khmertimeskh.com/501588745/in-pictures-king-leads-commemoration-of-cambodias-independence-day/#google_vignette
今月、カンボジアはフランスからの独立71周年を祝いました。首都プノンペンの独立記念塔で行われた1時間のイベントには、数千人もの外国外交団の代表者も参加しました。
記念式典では、独立記念塔内で花輪を捧げ、国の独立を象徴する勝利の儀式の火を灯しました。祝賀行事の最後には、独立と自由の象徴として鳩と風船が放たれました。カンボジアは、90年間のフランス植民地支配の後、1953年11月9日に独立を果たしています。
今月、Amru Rice社によってモンドルキリ州に新しく建設された米乾燥倉庫と籾乾燥機施設がオープンしました。Amru Rice社はカンボジア国内最大手の精米および卸売業者です。約20,000人の小規模農家とともに、化学合成農薬や化学肥料を使用せず、環境に優しい米づくりを実施し、経済基盤の安定や教育機会の拡大を通じて、コメ農家の生活向上にも積極的に取り組んでいます。
この施設は、高度な設備、より良い保管、改善された輸送手段で地元の農家を支援するためのもので、米の品質を向上させ、市場価値を高め、農家の生活向上に貢献します。農林水産省(MAFF)は、このプロジェクトは政府の戦略、特に農業の生産性と持続可能性に関する農林水産省の目標と一致しており、持続可能で包括的な農業の模範となると称賛しました。
英国を拠点とするワールドワイド獣医サービス(WVS)が主導したキャンペーンにより、2週間でカンボジアの229,488匹の犬に狂犬病の予防接種が行われ、アジア最大規模の狂犬病予防接種活動となりました。このワクチン接種キャンペーンは、カンボジアの「狂犬病管理・撲滅のための国家戦略計画」と密接に連携しており、動物衛生生産総局(GDAHP)およびカンボジア動物救助団体と連携して、人間と動物の両方の命を守ることを目指しています。
WVS は、ワクチン接種数を追跡し、キャンペーンの進捗状況に関するリアルタイムデータを提供する独自の「狂犬病アプリ」も使用しました。また、Mission Rabiesは2019年にプノンペンを拠点とした試験的なワクチン接種プログラムと教育活動でカンボジアで初めて活動を開始しました。それ以来同組織の24時間監視チームは、狂犬病に感染した犬の報告に対応し、噛まれた人への治療を支援し、一般の方からの感染した犬の目撃情報を報告し、狂犬病関連の緊急事態に対する支援を受けるためのヘルプラインを提供しています。
カンボジアでは今月、水祭りが行われました。今年の水祭りは11月14日から16日まで各地で開催され、この祭りのメインイベントであるボートレース、ロイ・プラティップ(ライトアップされた装飾船の展示)、サンペアス・プレア・ケー(月祭り)、オク・アンボック(もち米の一種をすりこぎで炒ってすり潰し、バナナやココナッツジュースと一緒に食べる)を楽しみました。
カンボジアでは毎年この時期に、雨季の終わりとトンレサップ湖とメコン川を結ぶトンレサップ川のユニークな逆流を祝い、豊作をもたらす自然、特に水への感謝を伝え、国の豊かな文化と長い歴史を記念する水祭りは毎年恒例の行事です。いよいよ観光にも適した乾季が始まります。
公共事業運輸省によりますと、カンボジアで最も高い橋が、来年のクメール正月前、2025年3月までに完成予定とのことです。この橋はバッタンバン州とプールサット州をコッコン州に結ぶことを目的とした、国道10号線建設プロジェクトの一部です。
川を渡るこの橋は、高さ90m、全長537mとなり、28か月に及ぶ建設プロジェクトは、2023年2月に開始されました。
参考記事:https://www.khmertimeskh.com/501599133/govt-commits-to-solving-all-land-disputes/
https://www.khmertimeskh.com/501598676/distribution-of-land-title-certificates-expected-to-complete-in-2027/
フン・マネット首相は今月、カンボジアの長年の土地紛争を管理し解決するための政府の戦略的取り組みを強調しました。1979年のクメール・ルージュ政権崩壊後に民間地の私的所有権の付与を再導入してから40周年となる、2029年までにすべての土地紛争を終わらせること、土地所有権証明書の配布は、2027年に完了することを期待していると述べられました。
土地管理省がすでに土地所有権を地方行政機関に移譲しているため、各州知事に土地所有権の分配を早めるよう要請し、住民に対する土地所有権証明書の発行に迅速かつ高い責任感を持って効果的に管理するよう求めました。コンポンチャム州は来月、この手続きを完了する最初の州となる見込みです。
最後に、2024年12月2日のカンボジアの最新銀行金利はこちらです。
Bank’s Name 銀行名 | Term Deposit / Maturity (USD) 定期預金金利/満期受取り(米ドル建) | ||||
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
ABA Bank | 3.25% | 3.25% | 3.25% | ||
ACLEDA Bank Plc. | 3.90% | 3.95% | 4.00% | 4.00% | 4.00% |
Canadia Bank plc. | 4.25% | 4.30% | 4.30% | 4.30% | 4.30% |
Sathapana Bank Plc. | 5.25% | 5.25% | 5.50% | ||
Cambodian Public Bank Plc. | 3.50% | ||||
HATTHA Bank Plc. | 5.25% | 5.50% | 5.50% | 5.50% | 5.50% |
Maybank (Cambodia) Plc. | 4.50% | 4.50% | 4.50% | ||
J Trust Royal Bank | 3.75% | ||||
Vattanac Bank | 3.50 % | ||||
Prince Bank Plc. | 4.75% | ||||
SBI LY HOUR Bank | 5.75% | 6.00% | 6.25% | 6.50% | 6.50% |
Phillip Bank Plc. | 4.50% | 4.50% | 4.50% | ||
Woori Bank | 6.00% | 6.25% | 6.50% | ||
Wing Bank | 4.50% | 4.50% | 5.50% | 5.50% | 5.50% |
PPC Bank | 5.00% | 5.20% | 5.30% | 5.40% | 5.50% |
※上記は2024年12月2日時点の米ドル建定期預金金利であり、金利は税引き前の年利率です。最新の金利及び詳細は各銀行の公式サイトをご確認ください。一部の金融機関を抜粋して一覧にしております。
いかがでしたでしょうか。前月から金利が変更された欄は取消し線で前月金利を記載しております。カンボジアに携わる方、渡航される予定のある方は下記の今月のカレンダーもご確認ください。来月もカンボジアの経済や不動産、日本との関わりを交えてお伝えしていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。