カンボジア政府は「オンライン詐欺対策法」を新たに施行し、国内のサイバー犯罪組織を全面的に排除する方針を示しました。オンライン詐欺対策委員会事務局長のチャイ・シナリット上級大臣は、各国外交団や国際機関向け説明会で、テクノロジーを利用した犯罪対策を政府の最重要課題の一つと位置付けていると説明しました。
4月6日に施行された同法では、オンライン詐欺組織の主犯格に対し15〜30年、死亡事件を伴う場合は終身刑を科す厳罰化を導入。暴力、人身売買、強制労働を伴うケースでは、最大20年の禁錮刑と高額罰金が科されます。一般の詐欺実行犯にも、最長5年の禁錮刑など厳しい処分が定められました。
政府は近年、オンライン詐欺拠点への大規模摘発を進めており、2025年半ば以降、約3万人の外国人容疑者を国外退去処分としたほか、約21万人が自主的に出国したとされています。AIや暗号化通信を悪用した新たな犯罪への対応も強化していく方針です。カンボジア政府は、こうした取り締まり強化によって、国際社会における信頼回復と治安改善を目指しています。

2026年のクメール正月(4月14日〜16日)期間中、カンボジア国内で延べ2,100万人以上の旅行者・来場者が記録されたと観光省が発表しました。内訳は、宿泊を伴う国内旅行者が約114万人、日帰り来場者が約1,990万人、外国人観光客が7万1,000人超となっており、全国的に大規模な人の移動とイベント参加が見られました。
最も多くの人出を集めたのは首都プノンペンで、約440万人が訪問。続いてコンポンチャム州、プレイベン州、シェムリアップ州、コンポンスプー州が上位となりました。市当局は、期間中の治安や秩序は安定しており、大きな事故や混乱は発生しなかったと説明しています。
今回の大型連休は、都市型イベントと地方の伝統行事の双方が盛況となり、カンボジア観光業の力強い回復を示す結果となりました。政府は、地方自治体と連携した運営体制が成功要因だったと評価しています。

日本政府は、カンボジアの廃棄物管理体制強化を支援するため、新たにゴミ収集車10台を環境省へ供与しました。今回で3回目の支援となり、日本から寄贈された収集車は累計30台となります。
引き渡し式では、上野篤志駐カンボジア日本大使が車両を正式に引き渡し、両国の環境分野における継続的な協力関係を改めて確認しました。供与された車両は各地方自治体へ配備され、地方都市でのゴミ収集や廃棄物処理能力向上に活用される予定です。
環境大臣は、日本政府の継続支援に謝意を示し、「クリーン・グリーン・サステナブル」を掲げるカンボジアの環境政策推進に大きく貢献すると評価。特にプラスチックごみ問題や廃棄物処理改善は、持続可能な社会実現に不可欠だと強調しました。
また同大臣は、地方当局に対し車両の適切な維持管理を求めるとともに、不法投棄や焼却による大気汚染対策を強化する方針を表明。埋立地での火災や違法焼却を行う廃棄物事業者には、営業許可取り消しを含む厳しい処分を科す考えを示しました。

カンボジアとタイは、長期化する国境紛争をめぐり、ASEAN・EU閣僚会合の機会を利用して「率直な協議」を行いました。プラク・ソコン外相とタイのシハサック外相は、ブルネイで会談し、2025年12月の停戦合意以降も続く緊張緩和や信頼醸成措置について意見交換を行いました。
カンボジア側は、停戦の順守と国際法に基づく平和的解決の重要性を強調し、既存の合意やASEAN憲章の遵守を求めました。一方でタイ側は、係争海域に関する2001年の覚書(MoU44)の撤回手続きを進めていると報じられ、カンボジアは一方的な措置が協議の枠組みを損なう可能性があると懸念を示しています。
また、両国間では空域や陸上国境をめぐる緊張も続いており、カンボジア側はタイ軍機の領空侵入や一部地域での不法駐留を主張。タイ軍による境界地域での活動についても抗議を行い、共同境界委員会(JBC)の再開を求めています。政府は引き続き、武力ではなく外交と国際法に基づく平和的解決を追求する姿勢を強調しています。

2025年、日本で働くカンボジア人労働者からの送金額が前年比22.5%増加したことが、カンボジア国立銀行(NBC)の「Financial Stability Review 2025」で明らかになりました。
背景には、日本の深刻な人手不足があります。高齢化による労働力不足を補うため、日本では技能実習制度や特定技能制度を通じて外国人労働者の受け入れを拡大しており、カンボジア人労働者も製造業、農業、サービス業など幅広い分野で増加しています。一方、2025年はタイとの国境問題の影響で、タイからの送金は28.4%減少。韓国からも5.2%減少しました。日本は、タイや韓国に代わる新たな主要出稼ぎ先として存在感を高めています。
また、日カンボジア間の経済関係強化も大きな要因です。2025年の両国貿易額は25億ドルを超え、日本企業約500社がカンボジアで事業展開しています。製造業を中心とした投資拡大により、人材移動と送金の流れが一層強まっています。政府は今後も、日本向け人材育成や技能向上を進め、海外雇用拡大による経済効果を期待しています。

カンボジア開発評議会(CDC)は、日本の大手自動車部品メーカー「矢崎総業(Yazaki)」が、カンボジア国内で生産能力を拡大すると発表しました。対象となるのは、コッコン州にある自動車用ワイヤーハーネスおよび関連部品の製造拠点で、2027年末までに新たな生産ラインの稼働開始を予定しています。
今回の拡張により、約1,000人の新規雇用創出が見込まれており、既存従業員約2,000人と合わせて、地域雇用への貢献がさらに拡大する見通しです。矢崎総業は2010年からカンボジアへ進出しており、世界経済の不透明感が続く中でも、継続的な追加投資を進めています。
近年、ASEAN域内で生産拠点分散を進める日本企業が増える中、カンボジアは自動車部品サプライチェーンの新たな拠点として存在感を高めています。特に比較的低コストな労働力や投資優遇策を背景に、製造業分野での外資流入が加速しています。

カンボジア北東部クラチェ州で、中国支援による「カンボジア・中国メコン友好橋」が開通しました。総事業費は約1億1,400万ドル、全長1,761mで、メコン川を挟むチット・ボレイ地区とプレック・プロソップ地区を結ぶ大型インフラ事業です。これまで依存していたフェリー輸送に代わり、安定した陸路交通が可能となります。
同橋の開通により、クラチェ州だけでなく、モンドルキリ州やストゥントレン州など北東部地域と国内主要道路網との接続が強化され、物流・観光の両面で大きな経済効果が期待されています。特にカシューナッツ、ゴム、農産加工品などの輸送効率向上により、輸送コスト削減と輸出競争力向上につながる見通しです。
また、自然観光資源が豊富な北東部へのアクセス改善により、エコツーリズム市場の拡大も期待されています。政府は現在、北東4州への重点投資促進プログラム「SPIN」を進めており、2026年以降、農業、製造業、観光、教育など13件・約6億6,800万ドル規模の投資案件が始動予定です。

カンボジア政府による大規模オンライン詐欺組織への取り締まり強化が、投資家や企業の信頼回復につながり始めています。在カンボジア米国商工会議所(AmCham)が公表した「Business Outlook 2026」によると、回答企業の89%が政府の対策を「効果的」または「一定の効果がある」と評価しました。
2015年以降、カンボジアでは国際犯罪組織による詐欺拠点の拡大が問題視され、フィッシング詐欺や暗号資産詐欺などが世界的に報道されたことで、観光業や投資環境にも悪影響を与えてきました。特に安全性への懸念から、アジア各国からの観光客減少が続いていました。
近年、フン・マネット首相率いる政府は、詐欺拠点への一斉摘発や不審事業への監視強化、FBIを含む各国捜査機関との連携を本格化。さらに、オンライン詐欺対策に関する国際協定への参加も進めています。専門家は、こうした対応により、カンボジアが「犯罪拠点」というイメージから脱却しつつあると分析しています。短期的には一定の混乱があるものの、長期的には法治強化や透明性向上につながり、外国投資や観光回復を後押しするとの期待が高まっています。

カンボジア最大手銀行のABA Bankは、2025年度の純利益が3億7,750万ドルに達したと発表しました。世界経済の不透明感や国内景気減速の中でも、堅調な成長を維持した形です。
同行によると、2025年は融資残高を約10億ドル拡大。特定業種に依存しない分散型の融資戦略と、業務効率化・デジタル化への投資が利益成長を支えました。経済成長が鈍化する中でも、複数分野へリスクを分散することで安定収益を確保したと説明しています。
また、一部地域で発生した国境問題による影響についても、デジタルバンキングは停止することなく運営され、顧客信頼への大きな影響はなかったと強調。安全確保のため一時閉鎖した支店も再開済みとしています。不良債権比率(NPL)は約7%と上昇傾向にあるものの、業界平均を下回る管理可能な水準と説明。借入企業との返済条件見直しなどを進め、リスク抑制に取り組んでいます。
さらにABA Bankは、カナダ国立銀行グループを親会社に持つ強固な財務基盤を背景に、住宅ローンやモバイルバンキング機能強化などを継続。今後はカンボジア国立銀行が推進する国際送金・越境決済システムへの参画も予定しており、国内金融インフラ整備への貢献を強める方針です。

カンボジア政府は、後発開発途上国(LDC)卒業後を見据えた貿易制度改革を進めるため、新たな報告書「高水準貿易協定への対応に向けた規制ギャップ分析」を公表しました。4月24日にプノンペンで開催された発表会には、政府関係者や英国大使館、国際機関、経済団体、研究者らが参加しました。
報告書は、英国政府および英国サセックス大学のUK Trade Policy Observatory(UKTPO)が作成したもので、カンボジアが将来的にTPP11(CPTPP)など高水準の自由貿易協定へ参加する際に必要となる法制度改革を分析しています。特に電子商取引や環境分野について、現行制度とのギャップを指摘し、データ管理や漁業資源管理が主要課題として挙げられました。
ソック・シファナ上級大臣は、世界貿易機関(WTO)の機能低下が進む中でも、カンボジアは国際貿易ルール形成に積極的に関与する必要があると強調。AIやデジタル技術が国際貿易を大きく変える中、人材育成や制度整備を急ぐ考えを示しました。カンボジア政府は、RCEPなど既存協定を活用しながら、輸出競争力向上と経済高度化を進める方針です。

2026年第1四半期、カンボジアで最も多くの新規投資案件を集めた地域として、コンポンスプー州が注目を集めています。カンボジア開発評議会(CDC)によると、同州では44件の投資案件が承認され、22件のカンダール州を上回り全国トップとなりました。
全国では計146件、総額約25億ドル規模の投資が登録され、約8万2,000人の雇用創出が見込まれています。投資元では中国企業が約47%と最大を占め、続いてカンボジア国内企業、マレーシア、シンガポール企業が続きました。投資分野は、経済特区開発、風力発電、自動車・バイク組立工場、タイヤ製造など多岐にわたります。
コンポンスプー州は、プノンペン近郊という立地に加え、道路網や物流インフラ整備が進んでいることから、製造業や軽工業、農産加工分野の新たな拠点として存在感を高めています。政府は衣料産業依存からの脱却を進めており、電子部品、自動車関連、食品加工など高付加価値産業への転換を後押ししています。一方で、電力コストや人材育成などの課題も残るものの、RCEPなどの自由貿易協定や規制改革を背景に、カンボジアは引き続き東南アジアの有望な投資先として評価されています。

シンガポール発の配車・デジタルサービス大手「Grab(グラブ)」は、カンボジアでの事業拡大とグリーン交通分野への投資強化に意欲を示しました。
カンボジア開発評議会(CDC)のスン・チャントール副首相と、Grab Holdingsのアレックス・ハンゲート社長兼COOが会談し、カンボジア政府は、Grabによる継続的な投資とサービス拡大を歓迎。特にデジタル経済の発展への貢献を高く評価し、政府が推進する国家戦略「ペンタゴナル戦略」とも一致すると説明しました。Grab側は、カンボジア国内でのサービスエリア拡大に加え、ドライバーやパートナー向けの金融支援サービスの検討を進めていることを報告。利用者の利便性向上と市場拡大を目指す方針を示しました。
また双方は、環境配慮型の都市開発についても意見交換を行い、Grabは電動車両やクリーンエネルギー導入など、交通分野における脱炭素化への協力に関心を表明しました。カンボジア政府は今後も同社の投資を積極的に支援する姿勢を示しています。

シェムリアップ州は、日本との連携を通じて「スマートシティ」化を加速させています。愛知県岡崎市で開催されたワークショップでは、JICA(国際協力機構)やシェムリアップ州政府、日本側関係者、民間企業、学生らが参加し、都市インフラ整備やデジタル技術を活用した持続可能な都市開発について意見交換を行い、日本型スマートシティの仕組みを、急成長するシェムリアップの実情に合わせて導入する可能性が議論されました。
岡崎市とシェムリアップは、河川を中心とした街づくりや豊かな文化遺産を有する点で共通しており、歴史的景観を守りながら都市発展を進めるモデルケースとして期待されています。近年、アンコールワット観光を背景に急速な経済成長を遂げる一方で、交通渋滞や治安、観光データ管理などの課題も深刻化しています。今後はAIやデジタル技術を活用した交通管理システムや観光情報プラットフォームの整備が進められる見通しです。州政府は、スマートシティ化を通じて若者向けのデジタル産業や新たな雇用創出にも期待を示しています。

最後に、2026年5月4日のカンボジアの最新銀行金利はこちらです。

Bank’s Name
銀行名
Term Deposit / Maturity (USD)
定期預金金利/満期受取り(米ドル建)
1年2年3年4年5年
ABA Bank2.25%2.25%2.25%
ACLEDA Bank Plc.3.45%3.55%3.60%3.65%3.70%
Canadia Bank plc.3.85%3.85%3.90%3.90%3.90%
Sathapana Bank Plc.4.00%4.00%
Cambodian Public Bank Plc.2.50%
HATTHA Bank Plc.4.25%4.50%4.50%4.50%4.50%
Maybank (Cambodia) Plc.2.50%2.50%2.50%
J Trust Royal Bank3.75%
Vattanac Bank2.85%
SBI LY HOUR Bank5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%
Phillip Bank Plc.4.00%4.00%4.00%
Woori Bank4.00%4.20%4.30%
Wing Bank4.50%4.50%5.50%5.50%5.50%
PPC Bank4.20%4.40%4.50%4.60%4.70%

※上記は2026年5月4日時点の米ドル建定期預金金利であり、金利は税引き前の年利率です。最新の金利及び詳細は各銀行の公式サイトをご確認ください。一部の金融機関を抜粋して一覧にしております。