海外の、特に成長の著しいアジアの銀行には日本の銀行も目を向けています。カンボジアもその一つです。カンボジアには日本同様たくさんの銀行がありますが、その中でも大手銀行であり且つ外国人が安心して預金できる銀行をご紹介します。

カンボジアの銀行口座の最大のメリットは、米ドル建てで最大年6.50%と非常に高い金利の定期預金が組めることです。

日系銀行のアジア地域への進出

日本では国内のマイナス金利政策により銀行も収益が悪化しています。そのため、ATMの手数料や口座維持管理費の導入などが順次進められています。その一方で将来性のある海外の銀行へ出資する動きも活発になっています。

三菱UFJではタイのアユタヤ銀行の株式を70%、インドネシアのダナモン銀行の株式を94%しています。みずほ銀行ではベトナム銀行(ベトナム)15%の株式、そして三井住友銀行ではカンボジアのアクレダ銀行の株式を18%取得しています。

カンボジアで銀行口座を開設するメリット

1. 外国人でも米ドルの口座開設可能
弊社でご紹介するカンボジアの主要銀行は日本人を含む外国人も口座開設が可能です。海外口座を保有でき、米ドルでの資産運用が可能です。

2. 高金利の米ドル建て定期預金が組める
定期預金を利用すれば年間預金利率6%以上で米ドルでの資産を着実に増やすことができます。

3. デビットカード機能付きカード発行
各銀行のデビットカードは世界ブランドのVISA、MASTERなどを選択可能です。世界中でショッピングや引き出しを行うことができます。

4. 海外送金できるネットバンキング
インターネットバンキングがある為、どこにいても取引内容や残高確認が可能、海外送金もできます。

5. 定期預金の途中解約に手数料はかからない
カンボジアでは基本的にどの銀行も定期預金の途中解約には手数料はかかりません。解約した場合は普通預金の利率が適用されます。

6. 口座保有後のカンボジアでの税手続きは一切不要
カンボジアでも源泉徴収税が課されますがシステムは日本と同様です。利息の入金時に銀行側が徴収してくれますので自身でのお手続きやカンボジアでの確定申告は必要ありません。税率は、利息に対してカンボジア非居住者が14%、居住者が6%です。

カンボジアで口座開設可能な銀行

アクレダ銀行 ACLEDA Bank Plc.

アクレダ銀行はカンボジア国内最大の商業銀行です。2000年10月に専門銀行に移行し、2020年5月25日にカンボジア証券取引所(CSX)に上場、商業銀行ではカンボジア初の上場です。また、日本の大手金融会社がアクレダ銀行の株主となっています。(三井住友銀行:18,07%、オリックス:12.13%、 2社合計で約30%保有、2020年12月時点)

店舗数はカンボジア252拠点、 ラオス41拠点、ミヤンマー6拠点と海外にも進出しています。アクレダ銀行内部にはジャパンデスクはありません。定期預金の元本の最低金額はKHR2,000,000もしくはUSD500です。

ABA銀行 Advanced Bank of Asia Ltd.

ABA銀行はカナダで6番目に大きな銀行であるNational Bank of Canada(カナダ国立銀行)の子会社で、現在アクレダ銀行と1.2位を争うカンボジア国内大手の銀行です。プノンペン中心地のATM数と支店数は国内No.1と言われています。

ABA銀行の人気の理由はモバイルアプリの使いやすさや、ABApayというキャッシュレス決済サービスを導入している店舗の多さです。カンボジアではABA銀行ユーザーではないビジネスマンを探すのは困難でしょう。ABA銀行にジャパンデスクはありません。定期預金の元本の最低金額はKHR400,000もしくはUSD100です。

カナディア銀行 Canadia Bank Plc.

カナディア銀行は1991年にカンボジア系カナダ人とカンボジア国立銀行との合弁会社として設立され、1998年の民営化以来、預金だけでなくローンでも圧倒的な市場シェアを獲得してきた国内大手銀行です。また、プノンペンの中心地にバタナックタワーと並んで建つカナディアタワーはカナディアバンクの成功と成長を表すシンボルとなっています。

ジャパンデスクはありませんが本店タワー内に日本人スタッフが1人常駐しています。カンボジア国内大手銀行の中では現地口座開設のハードルが比較的低いとされる銀行です。リエル(KHR)、米ドル(USD)、タイバーツ(THB)、人民元(RMB)での預金が可能です。

プノンペン商業銀行 Phnom Penh Commercial Bank Plc

プノンペン商業銀行は2008年に認可を受けた韓国系の銀行です。クメール語、英語の24時間年中無休のサービスセンターの設置や、韓国、日本、中国の専用デスクを設けるなどカスタマーサポートに力を入れているのが特徴です。

ジャパンデスクがあることもあり、アクレダ銀行、ABA BANKに次いで日本人の口座保有者が多いと言われます。

定期預金の元本の最低金額はKHR2,000,000もしくはUSD500です。

サタパナ銀行 Sathapana Bank Plc.

サタパナ銀行は2016年4月に、日本でパチンコホールの運営で有名なマルハン社の運営するマルハンジャパン銀行とサタパナ社が合併し営業を開始した銀行です。現在サタパナ銀行はカンボジアの上位大手商業銀行として全国に170支店以上を保有しています。

サタパナ銀行は日系銀行であるため、ジャパンデスクがあり、ATMやWebサイトが日本語に対応しています。カンボジアでは一番口座開設時の必要書類が多い銀行ですが、定期預金の利率が高く長期の定期預金にも対応しています。定期預金の元本の最低金額はKHR200,000もしくはUSD50です。

こちらでご紹介するカンボジア主要銀行であれば安心して預金ができるでしょう。カンボジアの定期預金は、隣国と比較しても総合的にリスクが低いにも関わらずリターンが大きいと考えられています。

カンボジアは数年前までは米ドル建て定期預金で年間預金金利7%超が当たり前でした。口座開設時もパスポートとビザのみで開設できていたものが、今では追加書類の提出を求めらるようになってきました。いつ外国人の口座開設に規制がかかるかはわかりませんし、需要が増えれば預金金利は下がるのが常です。

カンボジアはまだまだ発展の途上ですがとても可能性のある国です。逆をいえば発展の途上だからこそ早めにカンボジアという国を知り、ぜひこの高金利のタイミングで先行者優位を掴んでください。

カンボジアの証券口座開設

カンボジアには2012年4月18日にオープンしたカンボジア証券取引所(CSX)があり、証券会社を通じて上場企業の株を売買することができます。株式証券取引と債券取引が可能です。まだまだ歴史が浅く、上場企業数も現在で7社と少ないですが、年々海外からの投資家が増え、売買代金・出来高も上昇しています。

証券会社は11社あり、弊社では外国人でも開設できるアクレダ銀行の100%子会社のアクレダ証券と、日系企業のSBIロイヤル証券の口座開設手続きをご案内しております。

尚、証券取引時の通貨は現地通貨のリエルのみとなります。現在外国人については居住者、非居住者ともにキャピタルゲイン課税はありませんが、2022年1月より20%の徴収が実施予定となっています。

■カンボジア証券取引所(CSX)

取引日月曜日~金曜日(祝日を除く)
時間8:00am~3:00pm
通貨リエル(KHR)
決済日取引日の2営業日後
値幅制限基本価格の±10%
最小取引単位1株
値決め板寄せ:8:00am~9:00am、2:50pm~3:00pm
ザバラ:9:00am~2:50pm
注文方法指値注文(Limit Order “LO”)
成行注文(Market Order) /FAS, FAK, FOK

■現在の上場企業一覧

No.上場企業上場日
プノンペン水道公社
Phnom Penh Water Supply Authority (PWSA)
2012 年 4 月 18 日
2グランドツィンズインターナショナル
Grand Twin International Plc (GTI)
2014 年 6 月 16 日
3プノンペン自治港
Phnom Penh Autonomous Port (PPAP)
2015 年 12 月 9 日
4プノンペン経済特区
Phnom Penh SEZ Plc (PPSP)
2016 年 5 月 30 日
5シアヌークビル港湾公社
Sihanoukville Autonomous Port (PAS)
2017 年 4 月 25 日
6アクレダ銀行
ACLEDA Bank Plc (ABC)
2020 年 5 月 25 日
7ぺステック・カンボジア
Pestech(Cambodia) Plc (PEPC)
2020 年 8 月 12 日