日本のスポーツ用品大手ミズノは、カンボジアで野球ボールの製造を開始します。新工場はプノンペン経済特区に設置され、6月に操業開始予定で、約200人を雇用し、年間約120万個の野球ボールを生産します。カンボジアは日本、中国に続くミズノの第3の生産拠点となるとのことです。
進出の背景には、2026年3月に日米共同開催予定のワールド・ベースボール・クラシックによる需要増に加え、カンボジアの低い人件費と労働力の質の高さがあります。野球ボール製造は縫製など手作業が多く、熟練技術が必要とされますが、同国は縫製産業で培った人材基盤を有しています。
今回の投資は、トヨタや矢崎など日本企業の進出に続くもので、日本の官民連携によるインフラ支援と合わせ、カンボジアの製造業基盤強化を象徴する動きといえるでしょう。

世界銀行の「ビジネス・レディ(B-READY)2025」調査において、カンボジアは金融サービス分野でASEAN首位となり、ビジネスのしやすさが国際的に高く評価されました。特に、融資に必要な担保登録が迅速かつ低コストで行える点や、信用情報が適時に更新される制度が整備されていることが、企業の資金調達を円滑にしていると評価されています。また、電子本人確認(eKYC)やデジタル決済の普及により、金融取引や各種手続きの効率が大きく向上しています。中央銀行主導の決済システム「バコン(Bakong)」は、事業者にとって利便性の高い決済環境を実現し、中小企業や新規事業の参入障壁を下げています。B-READYは法制度だけでなく実際の運用状況も評価する調査であり、カンボジアにおいて「実務面でもビジネスがしやすい環境」が整っていることを示す結果といえるとのことです。

カンボジア商業省(MoC)は、国内のビジネス環境改善を目的に、①会社登録手続きの簡素化、②公共サービス支払いのデジタル化、③年次申告未提出企業への罰金免除という3つの新施策を発表しました。
会社登録の簡素化では、紙ベースから電子登録への移行や必要書類の削減により、支店登録などの手続き時間短縮を図ります。また、QRコードを活用した「verify.gov.kh」や電子署名の導入により、商業登録の近代化とガバナンス強化を進めます。
支払い面では、ABA銀行やACLEDA銀行のミニアプリと連携し、年次申告などの手数料支払いをオンライン化しました。さらに、年次申告未提出に対する罰金については、条件付きで直近1年分のみ免除されます。これらの施策により、事業運営の利便性と透明性向上が期待されています。

カンボジア商業省(MoC)は、カンボジア製品が日本、韓国、中国、マレーシア、英国、米国、EUなど世界各国の2万2,000以上のスーパーマーケットやミニマートで販売されていると発表しました。これは政府が民間企業や開発パートナーと連携し、国内生産者と海外小売業者を結び付けてきた成果です。
2025年にはドライマンゴー、カシューナッツ、香り米などの輸出契約が成立し、日本ではファミリーマート約1万6,000店舗、豪州では約850店舗でカンボジア産農産物が販売されています。また、中国向けには総額6億ドル超の農産物輸出に関する覚書も締結されました。
品質管理や衛生、包装基準の強化により海外需要が拡大しており、MoCは輸出支援拠点の設置や市場別品質基準の研究を進め、LDC卒業を見据えた国際競争力強化を図っています。

カンボジアは2029年12月19日に後発開発途上国(LDC)からの卒業を予定しており、これにより医薬品業界は大きな転換期を迎える見通しです。LDC卒業後は、WTOのTRIPS協定に基づく医薬品特許の例外措置が終了し、医薬品や関連技術に対する特許保護を全面的に導入する必要があります。
外資系製薬企業関係者は、特許制度の強化が研究開発や民間投資を呼び込む可能性があると評価する一方、別の業界関係者は、医薬品価格の上昇や国民の医療負担増加を懸念しています。
実際、医療費の約6割が自己負担で、医薬品が医療支出の約77%を占めており、家計への負担は大きい状況です。政府による適切な政策対応と社会保障の強化が、LDC卒業後の医療体制の持続性を左右すると指摘されています。

日本の北九州市は、カンボジアにおける水供給事業の長期的な拡大に強い関心を示しました。今回、北九州市の江口哲郎副市長を団長とする代表団が、カンボジア工業・科学・技術・イノベーション省(MISTI)のヘム・ヴァンディ大臣と会談し、水道・下水分野での協力強化を確認しました。
北九州市とカンボジアの協力は1996年に始まり、2025年10月には水供給・下水整備に関する覚書(MoU)も締結されています。今回の訪問には、日本の水関連企業15社が参加し、水処理、配管、管理システムなど多様な技術を紹介しました。
ヴァンディ大臣は、水供給は公衆衛生のみならず経済成長にも不可欠だと強調し、日本との協力を通じて全国的な安全な水へのアクセス拡大を目指す考えを示しました。

カンボジアの国営上場港湾であるプノンペン自治港(PPAP)は、2025年の純利益が前年比21%増の約5,029万ドルとなったと発表しました。2024年の約4,158万ドルから大幅な増加で、CSX(カンボジア証券取引所)に提出された未監査報告によるものです。
同港を通過するコンテナ取扱量は24.95%増の約60万TEUに達し、貨物およびガス燃料の取扱量も15.59%増の560万トンとなりました。
PPAPのヘイ・バヴィ会長兼CEOは、サービス品質の向上、保管能力の拡大、インフラ整備、透明性と近代化への取り組みが成長の要因だと説明しています。
PPAPは国家物流マスタープランの中核を担い、輸送コスト削減と物流効率化を通じて、カンボジア経済と貿易活動の活性化に貢献しています。

ラタナキリ州の農業企業ダウンペン・アグリコ社は、農業・アグロインダストリー分野で初めてカンボジア証券取引所(CSX)に上場し、約4,900万ドルを調達しました。196万本の社債を発行し、年利5.25%、償還期間は8年です。CSXのホン・ソックホウル総裁は、今回の上場は生産・投資拡大や雇用創出、農家の生活向上につながると強調しました。また、証券市場が銀行融資を補完する長期資金調達手段であることを示したと評価しています。現在CSXには27社が上場し、累計約7億300万ドルを調達しています。

カンボジア北東部クラチェ州で、ベトナム系企業V-KETIによる新たなゴム加工工場の建設が正式に始まりました。敷地面積は3,000ヘクタールを超え、同国ゴム産業への投資拡大を象徴するプロジェクトです。式典では州政府関係者が、同事業が雇用創出や貧困削減を通じて経済成長に貢献すると評価しました。現在、カンボジア国内にはゴム関連加工工場が179カ所あり、約14万人の雇用と42万人の生活を支えています。政府は企業に対し、法令を遵守し労働者の福祉に十分配慮するよう要請しました。農林水産省によると、2025年のゴムおよびゴム木材の輸出額は前年比20%増の8億3,200万ドルに達しており、同産業は引き続き重要な成長分野と位置づけられています。

カンボジア南西部カンポット州にある家族経営の「ラ・プランテーション」は、伝統的な胡椒農園を観光資源として活用し、アグリツーリズムの人気スポットへと成長しています。同農園には繁忙期には1日約300人が訪れ、欧州やアジア各国からの外国人観光客に加え、景色やカフェを楽しむ地元客も多く集まります。カンポット胡椒を中心に、スパイスや加工食品の生産も行い、見学ツアーでは胡椒の栽培や種類について学べます。地域雇用にも大きく貢献しており、最盛期には約300人のカンボジア人を雇用しています。こうした取り組みは、政府が進める「観光×農業」モデルにも合致し、カンポット州を質の高い農業と観光を両立する地域として発展させる動きを象徴しています。

カンボジア国立銀行(NBC)から清算人に任命されたMorisonkak MKA Audit-Accounting社は、預金者および債権者の利益を最大化するため、清算中のPrince Bankの融資ポートフォリオを銀行・金融機関向けに売却すると発表しました。売却は専門的な交渉と透明性のある入札方式で実施され、参加を希望する金融機関は2026年2月6日までに清算人事務所へ入札参加意思を提出する必要があります。
清算人は、融資先の顧客に対し、今回の債権売却は清算手続きの一環であり、既存の契約条件および法令に基づき、引き続き返済義務があることを改めて強調しました。担保や関連書類は適切に保全されるとしています。
なお、NBCは1月8日、Prince Bankを正式に清算下に置き、預金受入や貸出など全ての銀行業務を停止させたと発表しています。

オーストラリアのウィリアム・アングリス・インスティテュートは、カンボジア観光省と連携し、料理・観光・ホスピタリティ分野の職業教育訓練を強化する方針を改めて示しました。観光相フオット・ハク氏は同研究所の国際・事業開発担当ディレクターらと会談し、観光系職業訓練校の発展や人材育成について意見交換を行いました。同研究所は、プノンペンとシアヌークビルにある観光職業学校のカリキュラムや教材、指導者育成を支援してきた実績があります。1940年設立の同研究所は、料理・観光教育分野で国際的評価を受け、140以上の研修プログラムを提供しています。会談では課題や改善提案も示され、観光省は内容を検討し、人材育成の質向上につなげる考えを示しました。

2025年、カンボジアの電気機器・電子部品輸出が大きく伸び、産業構造転換が進んでいます。商務省によると、電子機器・部品の輸出額は前年比35.7%増の9億2,400万ドルとなりました。中でも電線・部品は51.6%増の5億7,500万ドル、自動車部品も11.34%増の2億9,400万ドルと好調でした。カンボジア商工会議所は、衣料品依存からの脱却を示す重要な転換点と評価しています。背景には、中国・韓国とのFTAやRCEPなどの貿易協定、政府の自動車・電子産業育成ロードマップがあります。衣料品関連輸出の比率は2000年の91%から2025年には37.89%へ低下し、非衣料製造業が62.11%を占めるまでに拡大しました。政府は2050年の高所得国入りに向け、産業多角化をさらに進める方針です。

最後に、2026年2月2日のカンボジアの最新銀行金利はこちらです。

Bank’s Name
銀行名
Term Deposit / Maturity (USD)
定期預金金利/満期受取り(米ドル建)
1年2年3年4年5年
ABA Bank2.25%2.25%2.25%
ACLEDA Bank Plc.3.45%3.55%3.60%3.65%3.70%
Canadia Bank plc.3.85%3.85%3.90%3.90%3.90%
Sathapana Bank Plc.4.25%4.25%
Cambodian Public Bank Plc.2.75%
2.50%
HATTHA Bank Plc.4.25%4.50%4.50%4.50%4.50%
Maybank (Cambodia) Plc.2.65%2.65%2.65%
J Trust Royal Bank3.75%
Vattanac Bank3.25%
Prince Bank Plc.
SBI LY HOUR Bank5.00%5.00%5.00%5.00%5.00%
Phillip Bank Plc.4.25%4.25%4.25%
Woori Bank4.55%
4.30%
4.75%
4.50%
4.85%
4.60%
Wing Bank4.50%4.50%5.50%5.50%5.50%
PPC Bank4.50%4.70%4.80%4.90%5.00%

※上記は2026年2月2日時点の米ドル建定期預金金利であり、金利は税引き前の年利率です。最新の金利及び詳細は各銀行の公式サイトをご確認ください。一部の金融機関を抜粋して一覧にしております。